県産材「北信濃の杉」の家 NPO-#004
Kawanakajima/NAGANO/2009
長野市街地に程近い場所に位置し、市街化調整区域内に新たに計画された200区画程の大規模分譲地である。以前は田園風景が広がるのどかな風景も、ここ数年の開発によってすっかり新興住宅地に様変わりしている。敷地はメイン通りから1本奥まった場所、南側道路で条件としては何一つ問題の無い敷地である。
「信州木造り工房」の第四作品目。
施主であるお客様は会員の一人であり、木材の供給業者の担当者の住まいである。設計も施工(大工・基礎・家具)も全て会員のコラボレーションによって行なわれた。お客様の要望は、「木の温もりと家族の気配が感じられる空間」。その要望を計画当初からお客様と設計者と施工者が同じステージに座ってじっくり話し合うことで実現した、住まいである。
外観上は近隣の住宅と比較すると高さを抑えることで、建坪としては小さいながらも水平ラインが強調され、軒の深さによって品のある佇まいを呈している。玄関扉を開けると時間がタイムスリップしたかのような「通り土間」が不思議な空間へと導く。玄関+下駄箱+クローク+食品庫が一体となって隠す収納ではなく、見せる収納という手法をとっている。更にDKを中心に吹抜けと間仕切りを引戸とする事で、1.2階が一体となったワンルームの空間が家族の気配をどこにいても感じられるようしている。2階はハーフビルド工法で耐力壁のモイスTMがそのまま表しとなっている未完成の住宅である。
信州の木に囲まれた、ナチュラル&シンプルな暮らしがそこにはある。
DATE
所在地:長野市川中島
主要用途:住宅
設計:MTK architects
施工:やま秀 田中建設
構造/工法:木造在来軸組工法
延床面積:108.57 m2(32.84坪)
竣工:2009.0