二世代の家
Uematsu/NAGANO/2007
長野市中心市街地の北部、30年程前に土地区画整理により計画された分譲地の一画。
敷地には当時建てられた母屋があり、その敷地を分筆して娘さん家族の住宅を新築する計画である。
元々の敷地は約110坪と大きいが、既存の母屋との配置バランスや建築基準法を考慮するとおのずと分筆される敷地形状は決まってしまい、結果的にその中に求められた住空間を満たす設計が必要とされた。
計画の中で以下の3点に特に配慮している。まず1点目は配置計画である。二つの住宅(家族)がコミュニティーを持てるような配置、具体的には既存の母屋が南側にオープンとなっておりそれに対して今回の住宅はあえて西側をオープンとし、敷地の南西部に意識的に両者の共有スペースとなる庭を計画している。2点目は玄関の位置、すなわち主動線がお互いを干渉しない位置に計画されている。一方で副動線となる勝手口がその物理的な距離感を近づける役割を果たしている。3点目は外観の色のバランス。スケール感を持たせる事と全体のまとまりをつける意味においても既存の母屋に合わせるかたちをとっている。
今回の計画では、二世帯住宅の微妙な距離感が非常に重要テーマになっている。
DATE
所在地:長野市上松
主要用途:住宅
設計/施工:やま秀 田中建設 + 建築工房 アーキクラフト
構造/工法:木造在来軸組工法
延床面積:78.25 m2(23.67坪)
竣工:2007.12